木材利用ポイントで木と生きるエコな生活をより身近に

社会的な意味

日本の森林問題

木材利用ポイントを利用するということは、当然その分国産の木質材料を消費するということでもあります。このことは、日本の森林環境を救うために大きな意味を持っています。地球温暖化が叫ばれて森林環境の保護が求められる現在ですが、日本国内においては森林を積極的に消費するほうが良い状況にあるということを理解すると、木材利用ポイントの存在意義はより深く理解できます。
日本においては、毎年東京ドーム65杯分の森林が常に増加しています。この数量を違ったイメージで言い換えると、日本における国産木質材料の毎年の消費量と同じだけの数量が増加していると言い換えられます。これはつまり、生産よりも消費のほうが明らかに少ない国内の現状を物語っています。ですから、木材利用ポイントで国産木材の消費を推進しようとしています。
また、この状況は、安価な輸入木材に消費が流れてしまい、日本国内の木材消費は生産量に対して盛り上がっていないということも表しています。国内の消費が海外に流出してしまっているという構図が、ここから描き出せます。それを改善するのも、木材利用ポイントの役目です。
消費が流出してしまっていることがまず大きな問題ですが、この状況が生み出している問題はそれだけではありません。日本国内の森林が増え続けること、それもまた、一見良いことのようで、問題を生み出す要因になっています。

森林の少子高齢化

日本の森林が、国産木質材料の消費量を賄った上で、さらに消費量と同じだけ増加している。この事実は、森林の少子高齢化を生みます。少子高齢化問題は日本人にとって重要な問題で、人間のそれと同じように大変な問題が起きているのが、日本の森林です。むしろ、人間の少子高齢化よりも森林の少子高齢化のほうが問題だともいえます。
木質材料を確保するための森林がなかなか消費されずに樹木が高齢になっていくと、森林の生命活動が低下します。例えば、二酸化炭素量の吸収能力が低下するという問題が起きたり、樹木に病気が発生しやすくなったり、虫もつきやすくなったりします。加えて、森林に土を留める力がなくなることから、樹木の高齢化は土砂崩れを生む要因になるともいわれています。
また、木質材料の消費が追いついていないため、林業の勢力も強いとは言いがたいです。このことから、木材を意図的に伐採する間伐を行うことも、材料として出荷することも、従事者が不足している結果難しいです。その結果、高齢になった樹木が残り、新たな樹木を植えることも難しく、森林内の高齢樹木の比率は更に高まっていきます。
森林の高齢化と、林業の衰退と、需要以上の森林の増加、これらの連鎖が、日本の森林環境や地域社会をさらに苦しめるという問題を生んでいます。

解決するための策

木材利用ポイントは、森林の増加と高齢化によって生まれる悪循環を断ち切るために生まれたといえます。
国産の木材消費が高まれば、必然的に森林の消費も適正数値に上がります。また、林業の盛り上がりも生まれます。林業が盛り上がれば、森林環境をより良い状態に維持することも用意になります。すると、より健康的な森林が生まれて、自然環境も改善できます。木材利用ポイントによって国産木材の消費が高まると、これだけの良い効果が生まれます。
もちろん、輸入木材に打ち勝つためには価格差を乗り越える必要があります。ですから、林野庁が木材利用ポイントという形で助成して、森林環境と林業環境の改善を狙っているといえます。
さらに、木材利用ポイントが生む成果は地域社会にも波及します。木材利用ポイントが付与される国産木材が売れて喜ぶのは、林業関係者だけではありません。たとえば、木材を加工する製造業にも売上増大の恩恵が生まれます。また、林業や製造業の懐が潤えば、その人達が暮らす地域の経済もうるおいます。地産地消が大切だということを、木材利用ポイントは身を持って教えてくれるといえます。
これらの点を踏まえると、一見消費者のために制定されたと見える木材利用ポイントは、日本全体を救う力になると断言できます。